訪日客の99%はGoogle Mapsであなたの店を探している——「載っているだけ」では、もう見つからない

「うちは食べログに載ってるから大丈夫」——もしそう思っているなら、一度スマートフォンの言語設定を英語に変えて、自分の店を検索してみてほしい。訪日外国人の99%がGoogle Mapsで飲食店を探しているという調査結果がある。あなたの店は、そこでどう見えているだろうか。 📌 30秒でわかる 項目内容 ひとことで...
「うちは食べログに載ってるから大丈夫」——もしそう思っているなら、一度スマートフォンの言語設定を英語に変えて、自分の店を検索してみてほしい。訪日外国人の99%がGoogle Mapsで飲食店を探しているという調査結果がある。あなたの店は、そこでどう見えているだろうか。
📌 30秒でわかる
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ひとことで | 外国人客は「Google Mapsで近くの店を探して、写真とレビューで決める」 |
| お店での意味 | Google Mapsの情報が不十分だと、目の前を歩いている外国人客を逃す |
| なぜ今 | 食べログがインバウンド専用アプリを出し、89万店舗の競争が本格化 |
| コスト感 | Google ビジネスプロフィールの最適化は無料。今日から始められる |
まず、よくある誤解
「食べログやぐるなびに載っていれば、外国人客にも見つかる」。これは誤解だ。
日本人が飲食店を探すとき、食べログやぐるなびを開くのは自然な行動だ。だが訪日外国人にとって、これらのサービスは「存在すら知らない」ことが多い。言語の壁もある。
では、外国人は何を使っているのか。答えは圧倒的にシンプルだ。Google Maps。訪日外国人1,827名を対象にした調査では、滞在中に99%がGoogle Mapsを利用していた。韓国人旅行者に至っては、毎日の利用率が100%だ。
月間20億人以上が使うGoogle Mapsは、外国人にとって「地図アプリ」ではなく「飲食店ガイド」そのものになっている。現在地から近い店を探し、写真を見て、レビューを読み、そのままナビで向かう。この一連の行動がすべてGoogle Maps内で完結する。
国によって「探し方」がまるで違う
ただし、Google Mapsだけ押さえれば万全かというと、そうでもない。
面白いのは、国籍によって飲食店の探し方にはっきりとした違いがあることだ。
欧米からの旅行者は、Google Mapsのレビューをじっくり読む傾向がある。星の数だけでなく、コメントの中身——「英語メニューはあるか」「ベジタリアン対応はあるか」「予約は必要か」といった具体的な情報を探している。TripAdvisor(月間4.9億人)も併用するが、レビュー数と安定性ではGoogle Mapsに軍配が上がる。
一方、韓国・台湾・東南アジアからの旅行者は、SNS経由で店を「発見」する。Instagramのリール動画やTikTokで気になる店を見つけ、そこからGoogle Mapsで場所を確認して向かう。韓国人はNaver Blog、台湾人は旅行ブログも重要な情報源だ。
中国人旅行者は独自のエコシステムを持っている。大衆点評(月間2.8億人以上)と小紅書(RED)が主な情報源で、WeChatでの口コミ共有が来店の決め手になることが多い。
つまり、「発見」のルートは国によって違うが、最終的に「場所を確認して向かう」段階では、ほぼ全員がGoogle Mapsに戻ってくる。ここが整っていなければ、どのルートからも最終的に「見つからない店」になってしまう。
食べログの参入で、競争のルールが変わった
2026年1月、食べログは訪日外国人向けの多言語アプリをリリースした。
約89万店舗の情報と、8,500万件を超えるレビュー・写真が、外国人旅行者にも直接アクセス可能になった。電話不要のオンライン予約もできる。
これまで日本人の間でしか流通していなかった膨大な口コミ情報が、世界に開放されたということだ。外国人旅行者の選択肢は一気に広がった。
裏を返せば、89万店舗との競争が始まったということでもある。「知る人ぞ知る名店」は、デジタル上では「誰にも知られない店」になりかねない。
始めるなら、ここから——3つの実践ステップ
ステップ1:Google ビジネスプロフィールを「外国人の目」で見直す
まずは自分の店のGoogle ビジネスプロフィールを開いてほしい。店名に英語表記はあるか。営業時間は正確か。写真は料理の魅力が伝わるものか。メニューの情報は載っているか。これらはすべて無料で編集できる。英語の店名を追加するだけでも、「near me restaurant」で検索した外国人の目に留まる確率は変わる。
ステップ2:レビューに返信する(英語で一言でいい)
外国人からのGoogle レビューに「Thank you for visiting!」と一言返すだけで、その店が「外国人を歓迎している」というシグナルになる。次の旅行者がレビューを読んだとき、店主が英語で返信している店と、日本語レビューしかない店。どちらに安心感を覚えるかは明白だ。
ステップ3:「入店後の体験」まで設計する
Google Mapsで見つけてもらい、写真とレビューで「ここに行こう」と決めてもらった。次の壁は「入店してからの注文」だ。農林水産省の調査では、訪日外国人の65.8%が「料理を選ぶ・注文する際に困った」と回答している。せっかく来店してくれた外国人客が、メニューが読めずに困る姿を想像してほしい。QRコードで多言語メニューを表示するだけで、この壁は消える。発見から注文まで、デジタルで一本の線をつなぐことが、これからのインバウンド集客の基本形になる。
